ワイマラナー

 

◆原産国 ドイツ

◆大きさ
体高:オス59〜70cm、メス57〜65cm
体重:オス30〜40kg、メス25〜35kg

◆特徴
ワイマラナーは、しっかりした骨格に美しいラインを持ち、非常に筋肉質で引き締まった体型の大型犬です。
つややかなグレーの短毛、ブルーグレーの瞳、垂れ耳も特徴で、かつて貴族に愛されていたこともあり、気品あふれる風貌です。

◆性格
非常に好奇心旺盛で活発です。飼い主に忠実、従順で甘えん坊な一面もあります。神経質な部分もあり、他人に対しては警戒心を持ち、距離を置く傾向があります。知的で学習能力が高く判断力にも優れています。猟欲や運動欲求がとても強いので、体力にも自信があります。

◆毛色
シルバー、ノロジカ色(少し赤みがかった灰色)、マウスグレーの3種があります。

◆獣医からのヒトコト
【注意して欲しい病気】
①胃捻転
大型犬によくみられる病気で、食事や水などの摂取した食べ物・液体・ガスが胃で拡張してしまい、胃がねじれてしまう病気です。
はっきりとした原因はわかっていませんが胸の深い大型犬で、夜に起こることが多く、夜ごはんの後にお散歩に行って運動させたりといった行為が誘因になるといわれていますので、大型犬の場合は、先にお散歩に行ってから、落ち着いた状態で夜ごはんを与えてもらった方がいいです。
早食いや大量の食事などが原因ともされるので少量のご飯を数回にわけるなどの胃の負担にならない工夫が必要です。
捻転している場合は一刻も早く解除しないと命にかかわるので、夜に、お腹がパンパンに張って、グッタリしているようであれば、朝まで待たずに救急病院を受診してください。

②股関節形成不全
発育の途中で股関節に形態的な異常が起こる病気で、大型犬に多いとされている遺伝的な疾患の一つです。
股関節のカップが十分に発達せず浅く脱臼しやすくなります。
典型的にはモンローウォークといって腰を振りながら歩いたり、片側の跛行として症状がでたりします。他にも、横座りをする、腰を振る歩き方をする、立ち上がるのに時間がかかる、運動を嫌がるなどが挙げられます。
原因の7割は遺伝と言われていますが、肥満や激しい運動でも発症します。適切な食事量と運動量を見極めるようにしましょう。
治療として、若齢であれば三点骨盤骨切り術、成長期をすぎた後は骨頭切除術や、施設によっては人工関節置換術が適応できる場合もあります。
早期発見することで、適応できる術式がかわるので、おかしいと思ったらレントゲンを撮ってもらってくださいね。

③眼瞼内反症
内反とは、瞼(まぶた)が内側に巻き込まれた状態をいいます。これによりまつ毛や被毛が眼球に刺激を与えて、痛みや炎症を起こします。
涙が常に多い、羞明がある(ウィンクするように目をつむる)、目やにが多い、目が充血しているなど、異変が見られたら早めに動物病院で診てもらいましょう。
部位によって治療法が異なりますが、通常は外科手術を行ないます。軽度の場合や手術ができない場合には、点眼で治療することもあります。
遺伝性の疾患で予防することが難しいため、重症になる前に早期発見、早期治療が大切です。

◆お手入れ
ワイマラナーは多くが短毛なので、基本的にトリミングは必要ありません。
抜け毛もそれほどは多くありません。週1回程度、ラバーブラシでブラッシングしてあげましょう。
軽い汚れであれば、硬く絞ったタオルで拭くだけでも大丈夫ですが、シャンプーは月1回程度行い、美しい毛並みを保つようにしましょう。

◆ヒトコト
ワイマラナーの歴史は謎に包まれています。
さまざまな説がありますが、完璧な猟犬を求めたワイマール地方の貴族たちが改良を重ねたと言われています。
門外不出の犬種として秘密裏に交配が行われたため、詳細ははっきりしていませんが、ブラッドハウンドにポインターやセッターなどの異種交配、選択交配が繰り返され、優れた猟犬となっていったとされています。
イノシシ、クマ、シカといった大型獣から鳥、ウサギ、キツネといった小型鳥獣まで何でもこなせる万能な狩猟ができることから、「完璧な猟犬」「伝説の猟犬」と言われるようになったそうです。

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