<愛犬・愛猫とずっと一緒に楽しく暮らすための豆知識 65> 今回のテーマは「療法食って何だろう?」です
こんにちは。
いぬねこさぷりドクターです。
もくじ
1.療法食の問題とは?
2.どれが療法食?
3.どんな困りごとが起こっている?
4.どう使うのが正解?
5.最後に
だんだん寒くなってきて秋が深まってきましたね。
暑い暑いといっていたのがウソのようで、嬉しいような寂しいような気持ちですね。
さて今回は、ふと思いたって、動物医療で問題になっている
療法食についてのお話を書いてみたいと思います。
ペットのお食事の中には、療法食といわれる獣医師の処方のもと治療の一環で
使用してもらうごはんと、病気の治療に関係なく使ってもらえる一般食があります。
ただ、近年、本来は病院でしか買えないはずの療法食をネットやホームセンターで
見かけるようになり、獣医師の管理下をはずれて購入できてしまうことが問題に
なっています。
あまりに普通に売られているので療法食と知らずに購入されていることも多のでは
ないかと思います。
動物病院で扱っている療法食のうち、ネットやホームセンターでの取り扱いが
多いのは、主に2社です。
1つはフランスのメーカーさんで、もう1つが、アメリカのメーカーさんです。
その他にも、何社か療法食を発売しているメーカーさんもあるので、
見分け方としては、病院で販売している(棚におかれている)フードで何系
(尿系や腎臓系、心臓系など)のごはんとわかるものは基本的には療法食と
思ってもらったらいいのかなと思います。
消化器系のごはんは特に問題がないことが多いのですが、よくある間違いが、
脂肪制限が必要な疾患(慢性膵炎やリンパ管拡張症など)で低脂肪の療法食の
指示がでていたのに、消化器の低脂肪以外のシリーズを購入してしまっていたり、
シュウ酸Ca結石の予防のために、処方されていたごはんと他のおしっこ用の
ごはんとを間違えて購入していたり、(同じ尿系のごはんでも、再発率に差が出る
場合があります)
若い頃に、おしっこで問題がでて、それ以来ずっとおしっこ用のごはんを
食べつづけており、加齢などによって腎臓機能が低下してきて、
そのフードが不適になっていてもそのまま食べ続けているといった事例です。
それ以外にも、しっかり説明を受けずに購入できてしまうため、
アレルギー食を使っているにもかかわらず、おやつも一緒にあたえていたり
といったことも多いです。(アレルギー食はアレルゲンとなる蛋白質の種類を
限定しているごはんが多いので、おやつで他の蛋白質を食べてしまうのは
効果がわからなくなることが多いです)
療法食の特徴や避けてほしい症例などはHPで調べられますが、
自分のワンちゃんやネコちゃんがどの疾患にあてはまり、その療法食を使って
どういう状態になっているかを知るには、やはり専門家の力が必要です。
病院に購入しに行くのは手間のかかることですが、必ず獣医さんに相談した上で、
療法食を取り入れてもらった方がいいと思います。
同じ会社のごはんでも病院ラインとペットショップラインがあったりと
ちょっとややこしいことも多いと思うのですが、療法食は必要なときに
必要なだけ使うべきものなので、獣医さんの指導のもと使ってもらえたらな
と思っています。
今は、病院でIDを発行してフードメーカーさん直売のサイトにアクセスして
購入してもらったりできるものも増えているので、一度相談してみてくださいね。
※イラストはイメージです