メインクーン
◆原産国 アメリカ
◆大きさ
体重はメスで5kg前後、オスは10kg近くになることもある大型の猫種です。
その大きな体を支えるために、しっかりした骨格と、筋肉が発達した四肢を持っています。
ヒゲにあたる洞毛は他の猫よりも長く、横顔からは鼻筋が見てとれ、端正な顔立ちが人気を集めています。
◆特徴・性格
大きな体格と美しい長毛が魅力的なメインクーン。
体が大きく筋肉質で、がっしりとした骨格を持ち、
長い毛に覆われ、特にしっぽの毛量が多いのが特徴です。
ゴージャスで存在感のあるメインクーンには、
寒暖の厳しい気候を生き抜いてきた、逞しさも感じられます。
その大きくてふさふさのしっぽが特徴的な体は、原産地とされるアメリカ・メイン州の
ラクーン(アライグマ)との交配種という伝説を生み、名前の基となっています。
メインクーンの性格は、番犬のように強い印象の外見とは反して、とても優しい性格です。
ネズミを退治する「ワーキングキャット」として人と共生してきた歴史から、
ペットとして飼いやすい、穏やかで人懐っこい性格の子が多いとされています。
一方でずっとネズミを追いかけて暮らしてきた猫種なため、ハンター気質も残っています。
その為、飼い主さんの目には、活動的で好奇心旺盛に映ることもあるでしょう。
◆毛色
メインクーンの特徴は、なんと言ってもその長いふさふさの被毛でしょう。
「シャギーコート」と言われる毛の長さが不揃いで、光沢のある分厚い毛質です。
毛の長さは個体や部位によって異なりますが、どの個体も共通してしっぽの毛は豊かな傾向にあります。
メインクーンに決まった毛柄はなく、様々な毛色や毛柄が生まれます。
しかし異種交配の結果と思われる、チョコレート(赤みがかった黒)、
ラベンダー、ヒマラヤンのようなポイントカラーなどは認められていません。
傾向として、しま模様(タビー)が入ったり、バイカラー(白黒のように有色と白の組み合わせ)などが多く見られます。
◆獣医からのヒトコト
【注意して欲しい病気】
①毛玉、毛球症
メインクーンは長毛なので、ブラッシングを怠るとすぐに毛玉になってしまいます。
毛玉と聞くと可愛く聞こえてしまうかもしれませんが、皮膚の上に鎧のように固くなった毛の塊が
びっしりついてしまっているネコちゃんもよくいらっしゃいますので注意が必要です。
また、毛づくろいで毛を大量に飲みやすい傾向にあるので、
胃にたまった毛玉を吐こうとして嘔吐が続いたり、毛玉が腸に下ってしまい、
消化管の動きを阻害し食欲がなくなったり、重症になると腸閉塞を引き起こすこともあります。
腸閉塞になってしまうと開腹手術が必要になることもありますので、
日々のブラッシングを怠らず、フードも毛玉対策用のものを与えるなど、
毛球症にならないよう気を付けてあげて下さいね。
②肥大性心筋症
遺伝的に発症する心臓の筋肉が変性し厚くなって機能しなくなっていく病気です。
この病気を発症し、左心房という心臓のお部屋が大きくなってくると、
中で血栓ができ、その血栓が流れて足に詰まる大動脈血栓症になることがあります。
肥大型心筋症は雑音があらわれないことも多いため発見されず、
突然、大動脈血栓塞栓症を発症し亡くなってしまうことも多いです。
後ろ足を痛がったり、起き上がることができずに苦しそうにするなどの
血栓症の症状が現れた場合は、すぐに獣医さんの診察を受けて下さい。
血栓症を起こす前に心筋症を見つけることで
発症を予防することもできますので早期発見が大切です。
③熱中症
メインクーンは北アメリカ原産の長毛種なので、寒さには強いですが、その分暑さには弱い猫種です。
暑すぎる環境の中では体温が急激に上がり、
発汗できずに熱を下げられないため熱中症をおこす危険があります。
そのため夏の暑い日はクーラーや扇風機で温度調節し、留守番させる時もつけたまま外出するなど、
熱中症にならないよう細心の注意をはらってあげて下さいね。
◆お手入れ
メインクーンはしっかりした毛質の長毛なので、こまめなブラッシングが必要です。
短毛の猫と違って毛が絡みやすく毛玉もできやすいので、ブラッシングする際は、
まずはコームやピンブラシで全身の毛のもつれをほぐしてあげるといいでしょう。
その後、スリッカーブラシなど目のつまったブラシを使って、丁寧に毛をとかしてあげて下さいね。
◆ヒトコト
メインクーンはとても賢く、優しい性格なので、どんな人でも比較的飼いやすい猫種です。
しかし体が大きく、遊ぶのも好きなため、十分なスペースがあるお家で飼うのが理想的です。
依存しにくい性格の子が多いので、お留守番もできますが、活発なメインクーンは遊ぶのも大好きです。
お気に入りのおもちゃを使うなどして、1日に最低でも5~10分以上は集中して遊んであげて下さいね!