<愛犬・愛猫とずっと一緒に楽しく暮らすための豆知識 68> 今回のテーマは「首輪とハーネスについて」です
こんにちは。
いぬねこさぷりドクターです。
もくじ
1.ワンちゃんの首輪とハーネス問題
2.ネコちゃんの首輪問題
3.最後に
まだまだ暑いなぁと思っていたのに、あっという間に寒くなってきましたね。
秋からあっという間に冬になり、今年が終わりそうな今日このごろですが
皆さんのおうちのワンちゃん、ネコちゃんは季節の変わり目でも元気にすごせているでしょうか?
空気が乾燥してくる時期には咳の相談が増えきて、首輪やハーネスの話をすることが多いので今日はそのお話を取り上げてみようと思います。
病院で多いのは、ガーガー咳をする子が首輪をしていたりすると、ハーネスにかえてもらうようにお願いするシュチエーションかなと思います。
興奮するとガーガー咳をしたり、お水を飲むときにガハっとむせる子は、気管虚脱といって首にある気管の背中側が落ちくぼんでしまう病気をもっていることが多いです。
(ワンちゃんの気管は上側だけ軟骨がはいっていない構造で支えがないのです。)
これは若い子でも多く、特にTプードルやヨーキーさんは多いです。
意外と柴犬さんも多い印象があります。
この病気をもっているワンちゃんは気管を圧迫すると咳が誘発されるので、ハーネスへの変更をお願いするようにしています。
それ以外にも、首のヘルニアになったことがあったり、首のヘルニアはしていないものの腰のヘルニアになったことがある子は基本的にはハーネスにしてもらっています。
ヘルニアという病気は椎間板(背骨と背骨の間のクッション)の上にある神経孔に椎間板の中の髄核という組織が飛び出て神経を圧迫することでおこります。
この病気を発症する子は椎間板が変性して飛び出しやすい状態になっていることが多く、他の場所の椎間板で同じことをおこす可能性がある状態です。
腰でヘルニアになった子が、次はたまたま首で飛び出てしまうことも十分考えられる病気なのです。
ですので、首を圧迫する首輪よりは胴体をホールドするハーネスの方が負担は少ないと思います。
ネコちゃんの場合は、お散歩に出かける習慣がある子が少ないのでハーネスより、首輪に関する相談をうけることが多く、嫌がってつけてくれないという相談やつけておいた方がいいですかというような相談が多いように思います。
首輪を常時していると、その下の毛が脱毛して生えてこなくなってしまったり、首輪を嫌がってしまったりすることがあります。
嫌がるようであれば、完全に家ネコさんの場合は、無理につけなくてもいいと思いますが、外に出る子、もしくは脱走癖がある子はつけておいたほうがいいと思っています。(嫌がっていても慣れてくれる子が多いです。)
今はマイクロチップが入っている子も増えてはきていると思いますが、首輪があるなしで脱走してしまったときに見つかる確率が格段に違います。
考えてみると、首輪をつけている見慣れない子がいると迷子かな?と思って捕まえてくれやすいのは、その通りだと思います。
また、数は少ないですが、ネコちゃんでお散歩や外に連れていくときに、ハーネスをつけると、いつの間にかスルッと脱いでしまうと相談をうけることがあります。
私も、飼い主さまにおしえてもらったのですが、脱いでしまう子用に、ハーネスの後ろに胴体にまけるマジックテープのベルトがついている商品があるらしく、ご案内するとうまく使えていることが多かったです。
3.最後に
首輪やハーネスというとワンちゃんのイメージがあると思います。
確かに、実際に相談をうけるのは圧倒的にワンちゃんなのですが、トラブルで来院されるのは意外とネコちゃんが多いです。
最近では、首輪をつけたら嫌がって脱ごうとしたのか、下あごが首輪にひっかかってとれなくなり、来院されたという事件もありました。
ネコちゃんの方が嫌がって事件になることが多いなぁと獣医さんたちは共通して思っているのではないかと思います。
大切なわんちゃん、ねこちゃんの為に、体調やお散歩環境によって首輪かハーネスを選んであげて下さいね。
※イラストはイメージです