<愛犬とずっと一緒に楽しく暮らすための豆知識 21>
今回のテーマは「加齢と共に気を付けてほしい病気?(獣医の目線編)」です
こんにちは。
いぬさぷりドクターです。
もくじ
1.変形性関節症
2.変形性関節症の治療
3.変形性関節症の予防
4.まとめ
前回に引き続き、今月も獣医目線の話をお送りしたいと思います。
今回は年をとることででてくる関節の病気を取り上げました。
若いころから気をつけていただくと予防できるものもありますので、
中高齢のワンちゃんだけでなく、まだ若いワンちゃんと暮らして
いらっしゃる方にも読んでいただけたらと思います。
名前だけを聞くと難しい病気のように感じられるかもしれませんが、
人間でいうところの膝や腰が痛む・・・というものです。
お年寄りのワンちゃんを飼われている方は、以下の症状に身に覚えがないかを
チェックしてみてくださいね。
□寝ていた後(しばらくじっとしていた後)の歩きだしがぎこちない
□階段の上り下りを嫌がるようになった
□散歩に行きたがらない(途中で座り込んでしまう)
□前はよく遊ぶ子だったのに遊ばなくなった
□関節を曲げ伸ばしするとカクカクしている
該当する項目があるワンちゃんは関節症が進行しているかもしれません。
年だからかなと思っていた行動が関節の痛みや違和感のせいだったということも
実はよくあることです。
変形性関節症は関節の中で変化がおきてしまう病気なので一度変化がおきてしまうと
元に戻すことはできず進行してきます。
こう書いてしまうと「どうしたらいいの?」となってしまうかも
しれませんが、基本的には加齢と共に大なり小なり関節症は出てきてしまうものです。
痛みや不快感をださないように、生涯にわたって自分の関節と
お付き合いしていくという風に考えていただければと思います。
もし、今の段階で痛み(ぎこちなさ)があるワンちゃんは、
つらそうなときは、獣医と相談してしっかり痛み止めを使ってもらい
少しぽっちゃりしている子であれば減量をしてみてください。
その上で、抗炎症系のサプリメントやグルコサミンなどの
関節サプリメントを取り入れてみていただければ、お家での
様子はかなりかわってくると思います。
しっかりケアしてあげることで進行も最小限にとどめることができます。
一度、変化してしまうと元には戻せない病気ということを踏まえた上で
できれば変化を最小限にしてあげたいというのが親心だと思います。
予防で一番大切なのは体重管理でないかなと個人的には思っています。
そして、足に先天的な疾患(膝蓋骨脱臼など)をかかえているワンちゃんは
その疾患を持っていることが将来、関節症になる要因になります。
治療法は手術になることが多いので、早期に手術をするべきなのかを
かかりつけの獣医としっかり相談してもらった方が良いと思います。
その上で、グルコサミンなどのサプリメント系を取り入れて
もらったらと思っています。グルコサミンなどの予防系サプリメントは、
関節症のワンちゃんの進行予防のために使う事が多いですが、
リスク因子をもって生まれてきたワンちゃんの将来のために
使うのも一つの選択肢だと思います。
今回のコラムは実は他の病気も含めて書く予定だったのですが、
書きたいことが多すぎて関節だけになってしまいました。
変形性関節症は、それだけ日頃よく診る病気です。
そして本当はこうしてあげてほしいな・・と思うことが多い病気でも
あるのだと思います。
派手な病気ではないですが、日常の快適さに直結する隠れた病気なので
獣医目線では是非気を付けてあげてほしいなと思っています。